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COMMUNICATIONS

連載記事

京都の端から、こんにちは 第7回

井上章一(所長)
2021年4月28日

 私は、いまだに自分のパソコンをもっていません。この文章も、原稿用紙に鉛筆で書いています。電脳社会にはついていけません。

 ですが、国際日本文化研究センターでも、オンラインの会議はふえています。研究会も、多くは、いわゆるリモートでひらかれるようになりました。私も、妻のパソコンをかりて、そういう会議には顔をだしています。それぐらいは、こなせるようになりました。

リモート会議風景

 あるウェブの研究会で気づきました。あれは、チャットと言うのかな。無声の告知装置をつかって、若い人たちが意見や情報をかわしあっていたんですよ。ああ、こんなことができるんだと、思いましたね。

 対面の研究会だと、ひっこみじあんになって口をとざしてしまう。そんな人たちでも、参加者の視線を気にせず、発言することができる。パソコンは、内気な人の心を解放しているんだと、かみしめました。メカ音痴の私が反省をせまられた一瞬ですね。