TEAM RESEARCH REPORTS AND OTHER PUBLICATIONS
坪井秀人編著
『戦後日本文化再考』
三人社、2019年10月
アジア太平洋戦争終結後75年を経ようとする現在、〈戦後〉という概念はあまりにもルーティン化して扱われ、すでに無効と化そうとしている。その反面で新自由主義の浸透により戦後民主主義批判が繰り返され、〈戦後〉に行われた様々な議論の果実が保守主義者たちによってもぎ取られようともしている。この論集では〈戦後〉をめぐるこうした潮流の両面に対して根本的にその概念を再検討し、占領と検閲、アジアと開発主義、戦争と敗戦の記憶、セクシュアリティ、生政治といった、現在的な問いかけをはらんだ多様な主題について考察を行う。