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COMMUNICATIONS

着任のごあいさつ

日本と世界の距離

平松誠(助教)
2021年11月12日

 2021年8月にIR(インスティテューショナル・リサーチ)室助教として着任しました。日文研の研究教育活動全般について情報収集し、データ分析・報告することを業務としております。

 私は都市社会学を専門としておりますが、日本研究との関わりに関する小話を一つして、着任のごあいさつとさせていただきます。社会学はヨーロッパで生まれた学問であり、その後はヨーロッパ・アメリカで発展してきたという経緯があります。したがって、日本の社会学者の中には欧米の理論を踏まえた上で、自らの研究をそれらの中に位置づけるという作業を行っている人が一定数いると思います。私自身もアメリカを中心とした都市社会学の議論を常に意識しながら研究活動を行ってきました。

 ただし、最近そういった研究スタイルに若干の違和感を持つようになってきました。たとえば、アメリカ社会は移民の流入によって成立しており、文化の多様性は日本よりも大きいのが実情であり、またプロテスタントのキリスト教文化を前提とした社会です。そういったアメリカを始めとした欧米社会において成立した理論を、そのまま日本の研究において応用可能だろうかと感じるようになってきました。

 日文研での日々を通して、日本やアジアの現状に即した都市社会学の研究をどう実現できるかについて考えていきたいと思います。これからどうぞよろしくお願いいたします。

桂坂を登りながら(本人撮影)

桂坂を登りながら(本人撮影)