COMMUNICATIONS
連載記事
京都の端から、こんにちは 第13回
井上章一(所長)
2021年10月29日
国際日本文化研究センターは、1987年にできました。日本研究の国際化は、当時からの目標です。図書収集でも、外国語で書かれた日本関連の文献に力点をおいてきました。
今でもおぼえています。われわれがそういう資料をあつめだすと、それらの値段が上がったんですよ。少々高くても、日文研は買いとるはずだ。そんな想いが、古書店業界にはできたんでしょうね。現金なものだなと、思いましたよ。
でも、おかげで、文献あつめはらくになりました。価格があがると、古書店側も全力でさがしだすんですよ。札束の力ですね。おかげで、日文研の図書収集も、充実するようになりました。外国語による日本関係文献の所蔵点数では、ここが日本一になっていると思います。それも、資本主義のたまものですね。私に資本主義の力強さをかみしめさせたのは、この集書活動だったと思います。
まあ、今の日文研に当時の資金力はないのですけれどもね。