COMMUNICATIONS
連載記事
京都の端から、こんにちは 第11回
井上章一(所長)
2021年8月30日
国際日本文化研究センターは、毎年十数名の外国人研究員を海外からうけいれています。滞在期間は、最大で1年間。そのあいだは、勤務先の組織運営にかかわるわずらわしい仕事を、忘れてもらう。思うぞんぶん、御自身の研究に没頭してほしいという制度です。
ただ、2020年からは、世界的な感染症のせいで、研究員をまねきづらくなりました。いや、いくらかは来ていただいています。しかし、そんなかたがたも、やっかいな事態に直面されているようです。
感染症へのおびえから、私たちはパソコンによるリモート・ワークをとりいれました。事情は世界中で、そう変わらないと思います。大学の講義や会議でも、オンラインのそれが一般化されました。つまり、外国人研究員のみなさんを、本国の勤務先は、たやすくよびだせる。運営業務などでも、はたらかせることができるようになったのです。
便利な機械ですが、そこはこまったものですね。日文研は、遠からず研究者の楽園じゃあなくなるかもしれません。なんとか、しなければ。