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COMMUNICATIONS

連載記事

京都の端から、こんにちは 第1回

井上章一(所長)
2020年10月26日

【連載】京都の端から、こんにちは第1回

 2020年の4月から所長となりました。いったい、これから何をすればいいのか。指名をいただいた時から、とまどいつづけています。

 前所長の小松和彦さんには、助言をもらいました。とにかく、挨拶の機会が多い。さまざまな会合へでむいて、気のきいたスピーチを披露する。それは、けっこう骨のおれる仕事だと、そうつげられました。

 ですが、今は新型コロナとよばれるウイルスが蔓延しています。対面の会合は、ほとんどありません。とりわけ、国際的なそれは、事実上開催することができなくなっています。所長の仕事は挨拶だと言われたのに、出番がないのです。そもそも、職場の同僚へ就任の挨拶をすることさえ、まだできていません。

 そう、私は所長らしい仕事をしていないのです。その点では、ややうしろめたく感じています。この連載をはじめたのは、その罪ほろぼしですね。私の挨拶がわりだと思って、おつきあい下さい。