COMMUNICATIONS
連載記事
京都の端から、こんにちは 第4回
井上章一(所長)
2021年1月28日
京都リサーチパークは、産業技術を支援する、学術研究地区です。下京区の五条七本松より南側に、ひろがっています。じつは、国際日本文化研究センターも、ここにできる可能性がありました。立地選定にさいし、京都市がしめした候補地のひとつに、同パークはほかなりません。
もし、このエリアに日文研がたてられたら、どうなったか。通勤は楽になったでしょうね。JRの丹波口駅が、京都駅から4、5分でたどりつける駅ですが、すぐそばにありますから。共同研究や国際会議の開催にさいしても、利便性は高かったはずです。
あたりにたちならぶ理科系の研究所を見ていても、感じますね。これらと連携した文理融合型のプロジェクトにも、はずみはついただろう。そうすれば、文教当局の覚えだって、ずっと良くなったかもしれない、と。
しかし、そういう可能性からは背をむけて、今の日文研はできました。都心からははなれた、西山の山裾に。もう、ここで人文智を、ゆっくり醸造していくしか手はないと、思いきりましょうか。

2018年10月、「東アジア日本研究者協議会国際学術大会」の会場となった京都リサーチパーク