COMMUNICATIONS
着任のごあいさつ
京都放浪
ザヘラ・モハッラミプール(特任助教)
2025年8月8日
京都国立博物館の特別展「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」*で、高台寺に所蔵される豊臣秀吉所用の陣羽織が展示されている。日本に伝わった「異文化」の中にペルシアの足跡がちらっと見える。南蛮船がもたらしたというサファヴィー朝ペルシアの絨毯。動物が絡み合って闘う文様が織り込まれた絨毯を陣羽織に仕立てるとは、面白い発想だ。そういえば、祇園祭の山鉾にも絨毯がかけられている。京都は、これから私をどんな旅に導いてくれるのだろうか。
2024年秋から上廣国際日本学研究部門の特任助教として着任しました。近代日本におけるペルシア観の形成をテーマに、特にペルシア美術のヒストリオグラフィーに焦点をあてて研究しています。日文研の存在を初めて知ったのは、大学院生の頃に読んだ井上章一先生の『法隆寺への精神史』(弘文堂、1994年)がきっかけですが、いつか日文研が自分の職場になるとは思いもよりませんでした。今後、研究を進めるとともに、少しでも次世代の研究者に役立つ仕事ができればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

日文研の秋(著者撮影)
*京都国立博物館にて開催、特別展「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」(会期2025年4月19日~6月15日)