COMMUNICATIONS
連載記事
京都の端から、こんにちは 第56回
井上章一(所長)
2025年7月30日
6月の初旬にネパールのカトマンズへいきました。AAS-in-Asia(The Association for Asian Studies)のつどいがあり、国際日本文化研究センターの宣伝をしてきたのです。まあ、所長のお仕事でしょうね。このつとめじたいは、無事にはたせたと思います。
集会の合間に、街を歩きました。ヒンズー教の寺院も、めぐっています。見てまわり気づいたのですが、仏具の多くは日本のそれらと似かよっている。独鈷(とっこ)や曼荼羅の図は真言密教のものを、しのばせました。日本の仏教は、東アジア圏の一角をなしているんだと、感じたしだいです。
テレビでクリケットの中継をたのしんでいる人も、見かけます。ネパールは、クリケット文化圏にぞくしているようです。その意味では、イギリスのスポーツ文化をたのしんでいるということなのでしょう。
私はプロ野球の観戦を、主な娯楽にしてきました。阪神ファンです。自覚はなかったのですが、クリケットに興じるネパールの人を見て、気づきました。自分はアメリカのスポーツ文化圏にくみこまれている、と。
宗教文化にはネパールと共通するところがある。しかし、スポーツのたのしみでは、ネパールとのあいだに溝がある。文化研究はたいへんだなと、かみしめました。
AAS-in-Asia(The Association for Asian Studies)2025については、トピックスで詳細をご覧いただけます。
https://www.nichibun.ac.jp/ja/topics/news/2025/06/20/s001/