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COMMUNICATIONS

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京都の端から、こんにちは 第47回

井上章一(所長)
2024年10月2日
 2004年に、私はブラジルのリオデジャネイロで、くらしたことがあります。そのおりに彼地で知りあった男性から、最近連絡をもらいました。当時は、まだ修士の院生でしたね。今はドイツでくらしているそうです。
 
 初対面のころを、ふりかえらせて下さい。私とであう直前まで、彼は東京に留学していました。その大学では、サッカー部へはいれと、さそわれたそうです。いや、大学が公式にみとめているクラブだけではありません。いくつものチームから声はかかったらしい。彼はそのことでぼやいていました。
 
 ブラジルからきたというだけで、日本人はサッカーが得意な学生と思いこんでいる。自分は、サッカーなんか好きじゃない。ついでに言えば、サンバも苦手だ。ステレオタイプなブラジル人理解はやめてほしいと言うのです。
 
 ほんとうに、そのとおりですね。私たちは、これまで日本にたいするかたよった見方をあらためるべく、つとめてきました。ですが、諸外国へむけてのまなざしも、考えなおす必要はあるかもしれませんね。旧知のブラジル人から便りをもらい、その想い出もこめて、書きとめたしだいです。