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COMMUNICATIONS

連載記事

京都の端から、こんにちは 第34回

井上章一(所長)
2023年7月31日

 私どもの施設には、建築としておもしろいところがあります。とりわけ、図書館の吹き抜けには、多くの来訪者が感心するようです。雑誌などのグラビアページで紹介したいという要望も、ままあります。テレビドラマの一場面につかいたいという注文も、なかったわけではありません。

 このほど、そういった要請には、媒体での使用料をいただき対応することとなりました。手元不如意の折、少しでも経費の足しにと思っての決定です。許諾へいたる手続きを簡略化したいという思惑も、ありました。

 私には、ややつらい決断です。私は、以前に自分の著書で書いたことがあります。京都の北山にあるコンサートホールが、雑誌への写真掲載で、お金をとっている。公共建築のくせに、あつかましいな、と。そんな私の所長をつとめるところが、やはり掲載料をいただくことになったのです。

 北山のコンサートホールに対しては、もうしわけなかったと反省しています。

日文研の中庭