COMMUNICATIONS
連載記事
京都の端から、こんにちは 第31回
井上章一(所長)
2023年4月28日
研究不正はゆるされません。もちろん、以前から、それをおおっぴらに容認しようとする人は、いませんでした。でも、このごろは不正をとがめる声が、より強くなっているように感じます。
じっさい、ここ数年、研究機関では、そのための講習会がもたれるようになりました。組織ごとに、どのようなとりくみがなされているのかも、問われだしています。うちでは、こういう対策をねっている。そんな姿勢を、憲章や宣言といった形でしめす機関も、ふえました。
読みくらべると、たいてい似たりよったりの文章でしるされているようです。たがいに、たがいの文言をまねているのでしょうか。とっぴな物言いでつっぱしっている組織は、まず見かけません。
研究上の盗用、不正引用はやめましょう。そんな文章でさえ、模倣しあっていることがないわけじゃあありません。盗用の防止をよびかける宣言じたいが、流用の産物である。もし、そうなのだとしたら、なかなか味わい深いものですね。