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COMMUNICATIONS

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京都の端から、こんにちは 第25回

井上章一(所長)
2022年10月28日

つい先日、イギリスでエリザベス女王の葬儀がおこなわれました。その様子は日本でも、テレビの中継をつうじ放映されています。葬送の一部でつかわれた霊柩車の姿形も、うつしだされていましたね。

 見れば、柩の安置された車体後部は、壁と天井がガラスになっていました。女王の柩と、死をいたむための花飾りが、ガラスをとおしてうかがえます。沿道にむらがる人々が、柩も見えるようにしつらえられた霊柩車です。

霊柩車イラスト

画・井上章一

 日本では、まず見かけません。テレビ番組の出演者にも、おどろいている人はいました。「ガラスばりの王室」が演出されたというようなコメントも、聞いたように思います。

 ああいう型の霊柩車は、しかし、ヨーロッパだと、よく見かけますね。ガラスばりじたいは、王室だけのものじゃありません。一般人でも、あの型になった霊柩車でおくられることは、ままあります。

 日本の路上は、走れません。ガラスばりでは、車体の強度がたもてない。日本の陸運当局はそう見きわめ、運行をゆるしてきませんでした。安全対策を重んじる日本的な行政の姿勢は、こんなところにもうかがえます。