COMMUNICATIONS
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京都の端から、こんにちは 第21回
井上章一(所長)
2022年6月30日
5月21日は、国際日本文化研究センターの創立記念日である。ここは、1987年の同月同日に発足した。やや、中途半端な、きりの悪い日付である。大学の研究所だから、4月か9月の頭に設立されてもよかったんじゃあないか。そういぶかしがる人も、なかにはおられようか。
設立の予定日は、4月1日であった。だが、1987年は日本に売上税、のちに消費税となる税の導入が検討された年である。この新税をみとめるかどうかで、当時の国会は紛糾する。その会期も、議論をつづけるため、おおはばに延長された。そのあおりを、国際日本文化研究センターも、くらっている。
ほんらいなら、4月1日にできるはずであった。だが、その設立を公認する法規の成立も、国会の延長にともないおくらされたのである。新しい税制を制定するさいの混乱に、つきあって。
創立記念日を毎年むかえるたびに、私は消費税を想いだす。こまったことである。まあ、消費税をおさめるさいに、国際日本文化研究センターを想いおこすことは、あまりないのだが。