COMMUNICATIONS
連載記事
京都の端から、こんにちは 第19回
井上章一(所長)
2022年4月28日
自分の顔を鏡で見るたびに、よく思う。年をとったなあ、と。
私は時々、テレビの画面に顔をだす。その録画をながめていても、かみしめる。どこからどう見ても、おじいさんだ。出演者のなかでは、いちばんふけている。そんな感想を、いやおうなくいだかされることがある。テレビの仕事も、そろそろ潮時だなと、このごろは後ろ向きになっている。
しかし、ごく最近、この考えをあらためようと思わせてくれる事態が、発生した。たまたま、私のテレビ出演を目撃した4歳の孫が、異様によろこんだのである。私のでている画像をみながら、「おじい、おじい、おじいちゃん」と、大声で語りかける。そんな動画を、娘が私に見せてくれたのだ。
私のことで、あんなに孫が興奮している。その様子を見た私は、テレビからひっこむことをやめた。老骨に鞭うってでも、依頼があるかぎりでつづけよう。今はそう思いだしている。
ささやかながら、某新番組のレギュラー出演も、はじまっている。